――夕日のオレンジ色の光が目に刺さる。

本当にここから見える夕日は綺麗だったんだ。


だけど今、そんな夕日よりも俺の目に強烈なインパクトを与えているのは実花。

うつむいて顔を隠している実花の手は震えていて。


顔を隠す手助けをしている綺麗な髪の毛は夕日に照らされオレンジ色に染まっている。


……綺麗だ。



俺は実花の髪に手を伸ばし、顔を隠す横髪をそっと耳にかけた。

そして腰をかがめて下から顔をのぞきこむ。



「みーか。俺も実花を手離したくないって思ってるくらい好き。俺が実花の彼氏になりたいって思ってるくらい実花が好き」



小さく笑いながらそう言うと、実花は目を大きく見開いた。