実花が俺以外の男のものになるとか、論外。
なあ実花……実花も俺と同じなんじゃないか?
大きなうぬぼれかもしれないけど、大きな自信もあるんだ。
「…メだよ!!ダメだよ!!ダメに決まってるじゃん!!」
実花は耳まで真っ赤にしてそう叫んだ。
突然の剣幕に驚き、今度は俺が足を引いてしまった。
「自信なくて、『人として』とか付け加えてごまかしたの!!湊君が言う通りだよ……」
どんどん尻すぼみになっていく声。
水音に飲み込まれてしまわないよう、俺は耳を澄ませて実花の声を拾い上げる。
「好きだよ…人としても、人としてじゃなくても。彼女になりたいって思っちゃってるくらい湊君が好きだよ」