「湊君!!」



空気を震わせ、よく知る声が耳に届いた。

鈴の鳴るような綺麗な声。


膝に手をつき、アスファルトの地面を見つめたまま固まっていると視界にローファーのつまさきがうつりこんできた。



そして俺の両肩を支えるように握る小さな手。



「湊君!!大丈夫!?しんどい?」


「み、か……?」



恐る恐る顔をあげると、俺の目の前にいたのは実花だった。

ここにはいないと思っていた実花だった。



「汗だく……!!ごめんねっ、私が秀君の悪ふざけを止めきれなくて……!!」