「気を付けて。妖精さんを取り戻してきてね」


「……いつかさ、実花に似てるっていう妖精見せてよ」


「うん!!とっても可愛いから、みっちゃんもきっと好きになるよ」



……実花に似てるんなら、なおさら好きになるんだろうな。

そんなことを思って小さく笑って俺は奈津美に背を向けて走り出した。


学校から鉢木橋まで歩いて30分くらい。

少し急がないと、夕日が綺麗に見えるかどうか、答え合わせが出来ないかもしれない。


ほんの少し焦りを覚えつつ俺は地面を蹴って前へ進んだ。