もちろん川の流れの音も聞こえてくるし近くには公園もあって、子供の声が聞こえてくるっていう条件にあてはまる。
ただ……俺はあそこから夕日を見たことがないから、そこからみた夕日が綺麗かどうかは実際に行ってみないと分からない。
「そこに実花ちゃんと斎藤君がいるの?」
「多分」
「……待ってたら実花ちゃんから連絡来るんじゃない?」
いや、多分来ないな。
秀はあのまま実花の携帯を返してないと思う。
…俺が簡単に実花を見つけたら面白くないからとか、そういう理由で。
「奈津美、俺行ってくるわ」
奈津美にそう宣言すると、奈津美はうなずいて手を振ってくれた。