「みっちゃん……?どうしたの?」
目を兎みたいに真っ赤にした奈津美が、携帯をギリギリと握りしめている俺を見てギョッとした。
俺は小さく息を吐き、落ち着いてから奈津美に状況説明。
「秀のアホが暴走した実花を拉致した」
「ええっ!?拉致って、大丈夫!?」
まあ実花に危害を加えることはないと思うけど……。
俺にとってはめちゃくちゃ有害な事態だ。
……ていうか、実花のやつ。
俺のこと、『人として好き』って昨日言ったじゃん。
それでだいぶ凹んだのに、今日になってみれば奈津美と付き合ったらダメとか言い出すし。