「……って、俺上から目線すぎか。二條さんの何倍もアホなのに」



「自分のことをアホとか言っちゃだめだよ。頑張れば誰でも勉強出来るようになるよ。……って、お父さんの受け売りなんだけどね」



すると斎藤君は嬉しそうに笑って言った。



「俺、二條さんのそういうとこ好きだわー」



その言葉に、ドキンッと心臓が跳ねあがった。

昨日私が湊君に言ったのと同じような言葉だ。
まさか。まさか斎藤君は私を……。


ぎゅっと立てた両膝を抱きしめていると斎藤君は明るく言った。



「なんていうかさー、見た目も可愛いし性格もいいし、テレビの中のアイドルがまんま現実に現れた感じだよなー」