「待って!!ご飯は?」


座ったまま声をかけると、湊君はドアに体を向けて口を開いた。


「実花が帰ってくる前に食べた。じゃあ、今度こそお休み」



私に背を向けて投げやりにそう言い放った湊君。

ひとり残されたリビングで、私はポツリとつぶやく。



「なんで嘘つくの……」



太ももの上で両手をグッと握りしめて拳を作る。

私が晩御飯当番の日はいつも私のご飯を一緒に食べてくれてるじゃない。
それに時間に厳しい湊君がマイルールを覆す行動は滅多に取らないじゃない。


なのに、なんでもうすでに食べてたなんていう嘘つくの。