放課後になり、左手で頬杖をついてお行儀の悪い格好でひたすらシャーペンをノートに走らさていると携帯電話が震えた。
取り出し、着信を確認してみると湊君からだった。
なにかあったのかな。
あまり私に電話してきたりしないのに。
不思議に思いながら、廊下に出てとりあえず人気のないトイレに向かい電話をつなげた。
「もしもし?」
『実花?』
「うん。何かあったの?」
狭いトイレに私の声が響いて小さく反響する。
会話中に湊君の名前は出さないようにしなくちゃ。
タイミング悪く誰か人が入って来たりしたら色々終わる。