「俺も楽しい。誘いに乗ってくれてありがと、実花」 そう言うと実花はいつもと同じように優しくはにかんだ。 実花の笑顔を見たら、言ってしまいたくなった。さっき花火でかき消した言葉を。 けれどそれはグッと息と一緒に飲み込んで。 夜空を彩る花々を見つめ、つぶやく。 「綺麗だな」 「綺麗だね」 「……俺が?」 「あはっ。何ふざけてるの!!」 なあ、実花。 『好きだよ』