そんなことを思いながらペラペラと広告をめくっていく。


そして、一番下にあった広告が俺の目に留まった。



「……実花」


「なにー?今日の晩御飯は餃子がいいとかは聞かないよー。今日は冷やし中華ってもう決めちゃったから」



誰も晩御飯の話しようとしてねーよ。

思わず俺はクスリと笑う。


「違うし。……ちょっと遠いけど最終電車には間に合いそうだから行ってみない?」



ペラッと広告をテーブルから持ち上げキッチンにいる実花に向けて内容を見せる。



「……行く!!行きたいです!!」



実花はパァッと顔を輝かせ、何度もうなずいた。

俺が見つけた広告は、ここから少し離れた場所にある海で開催される花火大会の宣伝広告だった。