すると奈津美ちゃんが小さく口を開いた。



「……ふたりって、付き合ってたの?」


「…ちがっ、違う!!付き合ってるとか、そんなんじゃないから!!」



教室全体に響くような声でそう言い、慌ただしく立ち上がる湊君。

付き合ってないのは事実だけど、あまりに動揺しすぎてたら不自然だよ……。


慌てふためく湊君。

ニヤニヤと私を見てくる若菜。

この世の終わりみたいなオーラを発する斎藤君。

そして複雑そうな表情を浮かべる奈津美ちゃん。


私はただただ立ちすくむしかなかった。



夏休み前に、とんでもないビッグニュースとして私と湊君の噂が校内中に流れたのは言うまでもない。