「あー、来週の火曜日に台風が来るっていう情報が流れてるからきちんと休校措置についてのプリントを見ておくようにー」



火曜日にあるテスト科目の教科担任の先生は授業中、口々にそう言った。


今やってる日本史の授業と同じようにその前にあった数学と英語の授業でも台風情報を聞いた。



「どうせなら、台風直撃してテスト無くなればいいのにー」


「アホ。台風直撃して火曜日になくなってもテストは延期してきちんと実施する」


「ちぇー」




先生とクラスメイトである男の子の会話にクスッと笑ったけど、その後少しの虚無感に襲われた。


7月の、台風か……。



思い出すのはあの笑顔。
思い出すのはあの言葉。