そっと額から手を離した、その時だった。



「えっ……?」



ガッシリと、さっきまで湊君の額の上にあった手を掴まれた。


おっ、起きてる……?



そう思ったけど、湊君は目を閉じたまま寝息を立てている。


……ああ、寝ぼけてるのか。



にしても、この手どうしよ……。
結構力強いんですけど。


湊君が離してくれるまでここに待機かな。

……湊君が明日の朝までこのまま手を離してくれなかった場合、目覚めた湊君が私の存在に気づいて『何やってんだよアホかお前!!』とか言って罵倒してきませんように。