「ほんとによかったな。また逃げ出したりしないようになればいいんだけどな。」


「あははっ、そうですよね。」


ふたりで楽しそうに笑う亮樹兄ちゃんと茜さん。


.....いや、全然楽しくなんかない。ここ、病院だよ。それと、ひとつ忘れてた。


.........この看護師さん、小柄なのに力だけはすごいあるんだ。元柔道部というルックスに似合わないものをやっていたために。


だから、病気で弱っているあたしなんかは、簡単に押さえ付けられちゃう。


「あっ、ほら。診察するよー。」


服をめくられて、聴診器を当てられる。そして、のどを見て、体温を測って終了。