「んー、やだぁー。」


ベッドで伸びをしながら言った。


そんなあたしを見て、亮樹兄ちゃんはため息をつく。


「はぁ...。そんな気のない“やだ”は初めて聞いたよ。」


苦笑いした。


「あははっ、相変わらずだね。桜ちゃんは。」


「...えっ?」


突然聞こえてきた、どこかなつかしい声。......これは。


あたしは、勢いよくガバッと起き上がると、ベッドの下にいた看護師さん。


「河北茜(カワキタ アカネ)さんっ!?」


あたしがびっくりして言うと、茜さんは笑顔でうなずいた。