「桜ねーちゃん!」 最悪だった検査から数週間後、年越しまであと1週間。 窓の外は太陽がぴかぴか、風の音がピューピュー。 大都市では、大晦日やら初売りやらでにぎっているなか、病院内はあいかわらずな生活。 そんななか突如、小児科病棟の廊下に響く、聞き覚えのある声がした。 「桜ねーちゃん!桜ねーちゃん!」 いきなり後ろから抱きつかれ、びっくりしたあたしはパッとふりかえる。 そこには、ぷっくりピンク色のほっぺに、サイドみつあみの小柄な女の子。 「......もしかして、ヒナ?」