「あ、僕は全然大丈夫ですよ。」




時間が止まったんじゃないか。

そう、錯覚させるほど彼が輝いて見えた。



「…。では、僕は行きますね。」



何も言わない私をみて不思議に思ったのだろう。

彼はそう言って立ち去ろうとした。




「待って!」



気づいたらそう、叫んでいた。



まて、結良よく考えろ。

この人を引き留めたところで何かあるだろうか。


何をしようとしているのか。



そもそも私は塾に遅刻している。

…寝坊した私が悪いけれど。
















私には引き留める理由がない。