☆  ☆


ある日の練習終わり。私はいつものように体育館を出て、帰ろうとしていた。






いつものように郁哉くんが下駄箱で待っててくれていた。





「ふみやく...」






「ふみさーん!!」






私の声を遮ったのは、バレー部マネージャーの後輩である、理沙ちゃん。







「理沙...ちゃん?」






「あ!先輩!お疲れ様です!」




理沙ちゃんもその隣にいる郁哉くんも悪気がなさそうな様子だ。






「郁哉くんに用事あるの?」






「え?これからふみさんと帰るんですよ?先輩こそどうしたんですか?」




え?







「ねぇ、郁哉くんどういうこと?」






「・・・」







郁哉くんは無言のままだったが、動揺してはいない。






「あたし、郁哉くんと帰る約束して...」







「そんな約束したっけ?」





またもや私の声を遮ったのは郁哉くんだった。





「え?どういうこと?」





郁哉くんは理沙ちゃんを校門で待たせ、私のところへ近づいた。