[1年H組]



私は、日菜子のクラスに向かったが、誰もいない。



「誰探してるの?」




急に声をかけられ、教室の奥のほうに男子3人組がいることに気付いた。





そのうちの1人が私たちのほうへ向かってきた。





身長はそこまで高くはないが、黒髪で少年のような顔立ちをしている。






「あ...。私たち、日菜子を探してて...」






「はははっ、日菜子なら、部活行ったよ!何か伝えておこうか?」






「あ。大丈夫!」






緊張している私に対して、その男子は、話し方まで少年のように気さくに話していた。







「あ。遅れちゃったけど、僕は朝比奈蒼空っていいます!よろしくね! ねぇ、なんく...」



「そこまでにしとけ。困ってるだろ。」







もう一人の男子が蒼空くんを少し冷たく止めた。







「ごめん。じゃ、また見かけたら声かけるね!」





そう言って、蒼空くんはもとの席に戻っていった。




かわいい感じの子だったなぁ...。






そう思いながら、くるみのところへ戻った。