[1年B組]




「はるな...?陽菜!」




うーん...。もう...。せっかく寝てたのに...。






親友のくるみに大声で起こされ、ちょっと不機嫌の私、桜木陽菜。高校1年生。







クラスの中では静かで、あまり男子とは話さない。ちょっとおっとりした女の子。





たまにこうやって放課後になると寝てしまう。







一方のくるみは、髪も茶髪の二つ結びをしていて、誰にでも明るく、よく私の相談に乗ってくれる優しい一面もある子。





そんなくるみがちょっとうらやましかったり。








そんな感じで、希望の高校に進学して、早2か月。






くるみと同じ高校になれたのは良いものの






中学から付き合っていた彼氏とひどい別れ方をされ、ブルーな気分だというのに...。




帰る気が起きないよー。






「陽菜、数学教えてもらいに、日菜子のところに行くんじゃないの?早くしないと帰っちゃうよ?」







...そうだったぁ。数学だけは中学から点数が悪い私は、理系クラス志望の日菜子が頼りなのだ。






どうりで、私の中学事情を知っているくるみが切羽詰まってると思った。







私は、急いで日菜子のクラスへむかう。