「ここにはよく来るの?」
彼は言った。
学校指定のナイロンバッグは地面に放られているのに、ギターは肩から下ろされ、膝の間に挟まれていた。
その様子だけで、そのギターを大事にしていることは良く分かった。
私は少しだけ、ブランコを前後に揺らしながら答えた。ブランコがキィーッと音をたてた。
「もう少し、早い時間だったら来るかな。まだ、子どもがたくさん遊んでる時間」
彼はブランコを揺らさず、しっかり私のほうを向いて聴いていた。
私はそんな彼と、目を合わさなかった。
合わせられなかった。
「どうしてわざわざそんな人の多いときに来るの?」
彼は意味が分からないといった風に怪訝な顔をした。
身までこちらに乗り出していた。
感情の豊かな人だと思った。
「この公園は好きだけど、一人は嫌いだから。遅い時間になったら、みんな帰っちゃう」
今日はあなたがいたから立ち止まった、それは言わないで置く。
彼には通じているかもしれない。
私はさっきより大きくブランコを揺らした。
その分だけ、ブランコは大きな音をたてた。
「俺はこの時間の方が好きだな。静かで落ち着けるから、自分のありのままの詞が書けるんだ」
初めて彼は私から視線を逸らして、ブランコを少しだけ揺らして言った。
「詞?」
彼は言った。
学校指定のナイロンバッグは地面に放られているのに、ギターは肩から下ろされ、膝の間に挟まれていた。
その様子だけで、そのギターを大事にしていることは良く分かった。
私は少しだけ、ブランコを前後に揺らしながら答えた。ブランコがキィーッと音をたてた。
「もう少し、早い時間だったら来るかな。まだ、子どもがたくさん遊んでる時間」
彼はブランコを揺らさず、しっかり私のほうを向いて聴いていた。
私はそんな彼と、目を合わさなかった。
合わせられなかった。
「どうしてわざわざそんな人の多いときに来るの?」
彼は意味が分からないといった風に怪訝な顔をした。
身までこちらに乗り出していた。
感情の豊かな人だと思った。
「この公園は好きだけど、一人は嫌いだから。遅い時間になったら、みんな帰っちゃう」
今日はあなたがいたから立ち止まった、それは言わないで置く。
彼には通じているかもしれない。
私はさっきより大きくブランコを揺らした。
その分だけ、ブランコは大きな音をたてた。
「俺はこの時間の方が好きだな。静かで落ち着けるから、自分のありのままの詞が書けるんだ」
初めて彼は私から視線を逸らして、ブランコを少しだけ揺らして言った。
「詞?」