不意に笑いがこみ上げた。


私は彼がいないと死ぬことさえ出来ないのだ。

最も、彼が生きていれば死んだりしないのだが。




笑ったせいで、もっと周りから浮いてしまった。

そのことに、さらに笑いがこみ上げる。

何が面白くて笑っているのか、分からない。


ただもう、どうすればいいのか分からなくて、私が壊れてしまいそうで、笑えた。

どうなってしまうか分からなくて、それがただ笑いになった。




出逢ったとき、もちろん彼がこんなに早く死ぬなんて思ってもみなかった。

一生懸命に夢を追い続けている彼の姿を、いつまでもいちばん近くで見ていられるのだと思っていた。


彼が「ありがとう」と言ってくれるから、こんなに無力な私でも人の力になることができるんだと思えて、嬉しかった。



生きていてもいいんだとも思えた。


少しでも彼の力になることが、少しでも彼の笑顔の要素になることが私の生き甲斐だった。





いつものあの優しい声で、私の心を落ち着かせてくれないと、もう私の心が、私自身が壊れてしまいそうだよ。





あなたのいない世界なんて、もう、生きたくないよ。