「ごめんってー。はははっ」

こっちは本気で怖かったのに、そんな楽しそうに笑われたら、何も言えなくなってしまう。

「・・・ったく、もう」
「早く泳ごうぜ!冬穂はビートバン使っていいからさ」
「私、そこまで下手くそじゃないもん」

失礼なことを言うなあ、と頬を膨らませると、灯はまた、嬉しそうに笑った。

灯の笑顔は、本当に輝いている。
見ているこちらまで、幸せにする笑顔だ。
だから、その顔を見せられる度に、少し胸が痛むんだ。
私には、ちょっと眩しすぎるのかもしれない。

それに・・・・。

「・・・まあ、良かったわ、元気そうで」
「へっ?」
「だって、夏祭り途中で帰ったし、メールも返してくれなかったし。実はすっごい心配してたんだ、俺」