そう問われているような気がして、なんだか胸が痛くなる。


「・・・駄目駄目。考えるな、私」

考えたら負けだ。
本当の恋のことなんて考えちゃったら、また戻りたくなってしまう。

もう、諦めたんだから。
もう、純粋な恋愛なんて要らないんだから。
だから、これでいいの。


私は、砕けて二つに割れたチョークを元の場所に戻し、ドアの前に立つ彼の元へ駆け寄る。

「とも、私パフェ食べたい。期間限定のやつ」
「りょうかい。奢ってやるよ」


そして、二人並んで歩き出す。

愛しいあの人のことを忘れるかのように、何時間か前まであの人がいた教室から、遠ざかっていく。