『何?』なんて聞き方、散々灯に酷い対応をしている私がすべき聞き方ではないのに、どれだけ自己中心的なんだ、私は。
「いや、今日って空いてる?」
「今日?うん、大丈夫だよ」
「あのさ・・・プール、行かねえ?」
「プール?」
唐突の誘いに、私は聞き返す。
「そう。ほら、一学期の終わりに約束したじゃん。夏休みプール行こうって。行こうぜ、プール」
「とも・・・・」
電話越しに聞く灯の声はいつも通り楽しそうで、少し胸が痛んだ。
私がどんな態度をとっても、私達の関係がどれだけ気まずくても、灯は変わらず明るい。
それは灯が気にしていないわけではなくて、私に対する気遣いだということがよく分かるから、辛い。
こんな優しい灯を、私は最近、傷つけてばかりだ。