ーーバババンッ


そして、何十発目かの花火が打ち上がった時、私達は、無意識に、キスをしていた。



「・・・っ!」

だけどすぐに、私は圭汰を突き飛ばす。
圭汰はバランスを崩して転び、床に尻餅をついた。

「あっ・・・・ごめんなさい!」

私はすぐに圭汰に背を向け、走り出す。

「待って、冬穂!」

そんな圭汰の声も、無視した。



走って走って、花火会場から遠ざかっていく。
頭の中が整理出来ていなくて、何も考えられなかった。
何も考えたくなかった。