綺麗だけど、花火はどこか切なくて、儚い。

「・・・それより、こんな所にいないで、ちゃんと見回りしたら?そのために来てるんでしょ?」

圭汰は多分、学校の見回りで夏祭りに来たのだろう。
私はそう思っていたため、そんな言葉を口にした。

だけど、決して圭汰に気を遣っているわけではない。
圭汰と一緒にいたくないからだ。
だって、あまり長い時間彼といると、勘違いしてしまいそうになるから。

「そうだけど・・・ここから見る花火、最高だから」
「木でほとんど見えないのに?」
「ばーか、お前がいるからだよ」

圭汰は花火を見つめながら、しれっとした顔でそう言い放った。


「・・・私達、別れたんだよ?」