・・・つもりだったが、チョークはチョーク入れの手前を落下し、床に当たると同時に半分に砕けた。
その時近くに破片が飛び散って、掃除したての床も汚れてしまった。

「あーあ、何してんだよ。割れちゃったじゃん」
「どうしよ、処理しなきゃ」

私はとりあえず、半分に砕けて小さくなったチョークを拾う。
破片はほうきで掃こうかな、と掃除道具が入っているロッカーへ向かうために立ち上がると、

「こんなの、足で消しちゃえばいいんだよ」

と、隣にいる彼の足が、破片を踏み潰し、更にそれを床に擦り付けた。

「あーっ、駄目だよ!もっと汚れちゃう」
私は彼の適当な処理方法を、慌てて止める。

しかし、チョークの破片は既に、床を白く塗りつぶしていた。