辛くても、必死に追い続けて良かった。
だって今、灯と笑い合えているから。

純粋で透明に人を想うことは難しいけれど、ただ幸せなだけの恋なんてないけれど、きっとそれでも人が恋をするのは、苦しんだ先にある、世界一の幸せを感じたいからなのだろう。



相合傘に書いた名前、“深沢灯”。

今、隣にいる、愛しい彼氏の名前、“深沢灯”。


「なあ、冬穂」
「ん?」
「・・・愛してる」
「っ!・・・・私も、愛してる!」