辛くて、苦しくて、情けなくて、何度も泣いた。何度も揺れた。
だけどそれも全て、今この瞬間のためにあるのだと思えば、不思議と幸せな記憶に変化する。
この恋から、沢山大切なことを学んだ。
確かに苦しいこともあったけれど、幸せな一年だったと思う。
「・・・あれ?冬穂の後ろ、なんか書いてない?」
「あっ、いや、その・・・・」
「みーせてっ!・・・おおっ、相合傘ですか。冬穂も意外とピュアなんだなー」
「や、ちが・・・・あー、もうっ!消すから!」
「いやいや、残しておこうぜ。記念に♪」
「絶対嫌!もう消すし!・・・って、黒板消し取るなー!!」
「へへっ、奪えるもんなら奪ってみろ!」
そうやってじゃれあう私達の顔は、どちらも幸せそうに綻んでいた。