ーーカンッ
そして相合傘を書き終えると、私は小さく微笑んだ。
「・・・・よしっ」
「・・・冬穂!」
その時、急にドアが開いて、私はそちらに顔を向ける。
「とも・・・・」
「・・・良かった、来てくれた」
部活が終わってから急いでここへ来たのか、灯の額からは大量の汗が流れていて、それを拭いながら灯は私に近づいてきた。
私は慌てて、相合傘を背中で隠す。
「ごめん、お待たせ」
「ううん、全然大丈夫」
灯と二人きりなのは久々だから、少し緊張する。
久しぶりにちゃんと見た灯の顔は、夕陽に照らされていて、とても眩しく感じた。