蒼人くん、本当にありがとう。

私はいつも曖昧で、ふらふらしていて、自分のことばかりだった。
けれど私は、こうやって沢山の人に支えられてきたんだ。

だから私は、その恩を返さなければならない。



階段を勢い良く駆け上り、二年二組の教室がある二階に来た。

そして、突き当たりを右に曲がると、

「わっ」
「おおっ、びっくりしたー」

誰かにぶつかりそうになり、私は慌てて足を止める。


「あっ・・・岡本先生」

しかも、運が良いのか悪いのか、その誰かは、圭汰で。