私と灯はあまり深く考えずそう見送ったのだけれど、その後で、二人きりになってしまったことに、お互い気づいた。

そして、その途端、気まずい空気が部屋に充満し始める。
ここがカラオケ店でなかったら、今すぐ部屋のドアを全開にして、この空気を入れ換えたいくらいだ。

確かに最初は、こんな雰囲気になるのではないかと心配していたが、今日一日そんなことにはならなかった。
そのため、もしかしたらもう普通に接することが出来るのではないか、なんて思っていたが、どうやらそれは、私達の間に蒼人くんがいた場合のみの話だったらしい。


「・・・あー、疲れたな。なんか、はしゃぎすぎたかも」

わざとらしくそんな独り言を呟いた灯は、なっ?と、私に視線を向ける。