「ってか、これ、すごい量だよね」
「ああ・・・、だな。こんなに要らなかったな」
「蒼人、お前、取りすぎなんだよ」
灯が機械を操作して曲を選びながら、そう言う。
「いや、俺はこんなに取るつもりはなかったんだよ?どっかの誰かさんが、勝負だなんだって煩かったからさ」
「なんだよー、俺が悪いっていうのかよ?そんなん、蒼人が何しても勝つからだろ?ちょっとは遠慮しろよ」
「嫌だね。お前にだけは、絶対負けたくない。だってお前、一回勝ったら、ムカつくくらい偉そうな態度取るじゃん」
二人の会話に、私は笑みを零す。
蒼人くんは何をしても凄いらしく、今日だって、クレーンゲームではどんな大物もほとんど一回で取っちゃうし、バスケットボールを使ったゲームだって全部入れちゃうし、他のどんなゲームも楽々とクリアしていた。
灯はその度に勝負を挑んでいたのだけど、見事な全敗だった。
蒼人くんは本当に何でも出来るんだな、と私も感心していた。