最悪だ。

これだから、“元カレが担任”は、嫌なんだ。



進級して四回目の日直。

同じ日直の男子が、放課後の掃除をサボって帰ってしまった。
そんなことは四回目の今日が初めてで、私はぶつぶつ文句を言いながら、一人教室に残っていた。

灯は、掃除を手伝うって煩かったけれど、部活を優先するよう説得した。
けれどやはり、一人で掃除するのは疲れるし、面倒くさい。


「・・・ったく、勝手に帰らないでよ」

なんて、相方の男子の愚痴を言っていると、

「帰るな、って呼び止められないもんな、冬穂は」

教室のドアが開いて、独り言に、そんな言葉が返ってきた。