圭汰に会うと、冷静になることが出来た。
圭汰を好きだと、ちゃんと思い直すことが出来た。
しかし、その日以来、私は毎日そうやって確認しないといけなくなる。
毎朝毎朝、灯が私に挨拶してくるようになったからだ。
私は灯を裏切った。圭汰を選んだ。
その後ろめたさから、灯にどう接すれば良いか分からなくなって、きっと灯も同じで、だから、今までお互い避け合っていたのに。
今更、どういうつもりなのだろう。
圭汰の存在と気まずいのとで、私は毎朝、灯を軽く避けていた。
「ねえ、このCDかけていい?」
「もちろん」
私は圭汰に確認を取ると、車に備え付けられているデッキにCDを入れる。
今日は、圭汰の車で、隣の県までドライブをする予定だ。