微笑みを浮かべた圭汰に、私は無理矢理、笑顔を浮かべる。 実は、圭汰とクリスマスデートをするのは初めてだ。 だが、浮かれた気分にはなれなかった。 当たり前だろう。 だって今、私は、大切なものを沢山捨てているのだから。 色んな人を傷つけているのだから。 罪悪感で埋められた心には、レストランで食べたパスタの味も分からず、クリスマスデートは、ただ心苦しいだけで終わった。 帰り際に降った白い雪も、儚さだけを帯びていた。