俺はその場で、崩れ落ちるように座り込んだ。
叶わない一方通行な想いが、溢れて、消えた。
ふと視線を移した先に、冬穂からもらったキーケースが、土を付けて落ちていた。
それが、この恋の終わりを告げているようで、更に辛くなる。
なあ、冬穂。
教えてくれ。
俺の、何がいけないんだ?
~冬穂side~
「はあっ・・はあっ・・・」
灯の手を、思いを、私は振り払った。
最低な形で、灯を深く傷つけた。
それが苦しくて、私は、どれだけ息を切らしても、もう灯から姿が見えないだろう場所に来ても、まだ走り続けていた。
そうして、何とか辿り着いたのは、駅前。
圭汰との待ち合わせ場所だ。
こんな時にまで、本当に自分本位な人間だと思うが、無意識の内にここへ来ていた。
「・・・あっ、冬穂!こっちこっち!」