圭汰の傍にいられるだけで、幸せだった。
だけどやはり、因果応報。
世間のルールを破った私に、永遠の幸せなど訪れないのだ。
二年生に進級する、少し前のことだった。
「結婚する」
そう、圭汰に告げられたのは。
もちろん、その相手は私じゃない。
圭汰の大学時代からの恋人だ。
私と圭汰しかいない西日の差す教室の中、私はショックで、しばらく何も言葉を返せなかった。
結婚するという、たったそれだけのことだけど、私は色んな感情を抱いていたため、どれをどんな言葉で伝えればいいか分からなかった。
「ひどい・・・」
そして、やっと出た言葉は、それだった。