頭が混乱して、私は何度も瞬きをしながら、その一文を見つめる。


圭汰から“会いたい”などと送られてきたのは、初めてのことだ。
しかも、今日はクリスマスイブ。

行くか、行かないか。

今は、灯とデート中だ。
急に帰ることなんて出来ない。
行かないのが当たり前だ。

でも、圭汰から誘われている。

行きたい。

私はじっと携帯電話を見つめ、悩む。

どうしよう。どうしよう。


「・・・やっぱり」

私はすっと、立ち上がった。

「冬穂?どうした?」

そこにタイミング良く、灯が飲み物を片手に戻ってくる。

私は灯の目を見つめて言う。

「・・・ごめん。用事出来たから、帰る」


そう。
私は、圭汰を選んだのだ。


「はっ?用事?」

灯は眉を顰めて、聞き返す。