「うん。・・・時間ってさ、すごいと思うんだ。ただ少しの間一緒にいるだけで、人間関係が出来る。それに、時が解決してくれる、とかってよく聞くし。だから、一緒にいれば、俺らの関係も良くなるかなーって思ったんだけど・・・」

どう?と問い、灯は私の顔を見た。

私は、

「うん・・・」

と、小さく頷く。


「やった!じゃあ、そういうことで。これからもよろしくな、冬穂!」

そう言って嬉しそうに笑った灯に、私も少しだけ笑みを浮かべる。
完全な愛想笑いだった。


「じゃあ俺、飲み物買ってくるな!冬穂は、カフェオレでいいよな?」
「うん。・・・・あっ、とも!」
「ん?何?」

飲み物を買おうと、既に自動販売機へ向かって歩き出していた灯を、呼び止める。

言わなくてはいけない言葉を出そうと、私は灯をじっと見つめた。