最初、入学すら難しいと言われていたため、周りの大人たちは当然驚いた。
入学式の日、圭汰に、
「すげえじゃん。やるな、冬穂」
と、珍しく褒められたのは、今でも印象に残る思い出の一つだ。
その日から、私の恋はスタートした。
歯車が回り始めてからは、すごく早かったと思う。
とんとん拍子に私と圭汰の距離は近付いていき、二学期ももう終盤という頃に、圭汰に告白された。
「好き。付き合いたい」
シンプルでありふれた言葉だったけれど、ものすごく嬉しかった。
教師と生徒。
分かってはいた立場だったが、気持ちを抑える気はもうなかった。
ーー愛している。
圭汰のその言葉があれば、十分だった。