幸いにも、望未ちゃんは何も行動を起こさなかった。

だけど、三学期になったら何かするかもしれない。
まだ安心は出来ない。

だから、冬休み中に灯と別れなければいけないのだけど。


「お待たせっ、冬穂。待った?」

息を切らせながらやって来た灯に、私は微笑みかける。

「ううん」
「良かった!・・じゃあ、行こうか」

灯はそう言うと、私に手を差し出す。

「えっ・・・・」
「手、いい?」

灯の少し悲しそうなその表情に、私は躊躇いつつも、差し出された手を握った。