不安そうに私を見つめる灯はまるで、断らないで、と縋っている子供のようだ。

「・・・うん、いいよ」

そんな捨て犬のような瞳で見つめられたら、断ることなんて出来ない。
こういう所が、駄目なんだけど。

でも、どうせ圭汰には奥さんがいるため、私に先約なんてないから、別に良いかもしれない。

「本当に?やった♪」

灯は嬉しそうに笑うと、お弁当を食べ始めた。

その顔にまた、私は胸を痛めた。




そうして、迎えたクリスマスイブ。

望未ちゃんには脅されていたが、結局私達は、二学期が終わっても、未だに付き合っていた。