「あの、さ・・・・」

灯は、少し言いにくそうに、目を泳がしている。

きっと、私に気を遣っているのだろう。

私と灯の関係は、最近ずっと悪い。
お互いがお互いの顔色を疑って、腫れものに触れるように接している。

こんなんじゃ、恋人だなんて、とても言えない。


「ん?」

私が首を傾げると、灯は小さく息を吐き、私の目をまっすぐ見据えて、

「クリスマスイブの日、デート、しない?」

と、言った。

私は、瞬きを数度する。


「クリスマスイブ・・・?」
「うん。えっと・・・あっ、その日さ!俺の、誕生日だし?・・・どうかな?」