「本当、びっくりしちゃったよ。まさか、そういう関係だったとは。通りで、岡ちゃんがあんなにキレたわけだ」
「ちがっ・・・私と圭汰は、」
「圭汰?・・・へえ、圭汰って呼んでるんだ。まっ、あの時聞いてたから知ってるけど」
「あっ・・・えっと・・・・」

墓穴を掘ってしまった自分に、馬鹿、と心の中で怒る。

望未ちゃんは歩を止めると、私の方を向いて、楽しそうに目を輝かせる。
どうやら望未ちゃんは、私の弱みを握るのが好きなようだ。

私は俯いて、ぎゅっと拳に力を込めた。

「不倫。しかも、灯と二股・・なんて。澄ました顔して、よくやるじゃん」
「っ・・・・。」
「このこと、学校に言ったら、どうなるかなあ?」
「っ!止めて!」

私はバッと、勢いよく顔を上げる。