望未ちゃんは、私に背中を向けたまま、
「・・・私、見ちゃったんだよね」
と、どこか企みを含んだ口調で話し出す。
私の質問の答えにはなっていないが、私は首を傾げて、次の言葉を待つ。
望未ちゃんはゆっくりと振り返り、不敵な笑みを浮かべた。
「冬穂ちゃんさ、岡ちゃんと付き合ってるんだね」
「・・・・っ！？」
予想もしていなかった展開に、私は目を見開く。
よりによって、最初に気づかれた人が望未ちゃんだなんて、運が悪いにも程がある。
望未ちゃんは、私の周りをくるくると歩き回りながら、嬉しそうに話を続ける。
