体育館に着いて親と合流出来た時、圭汰は、次は入試の日に、と言った後、親に聞こえないように、私の耳元でそっと、
「入学式、楽しみにしてるから」
と、囁いた。
その瞬間、思ったんだ。
この人のことが好きだって。
絶対、この高校に入学したいって。
それから、圭汰に会いたい気持ちと公言してしまった首席入学を実現するために、私は一生懸命勉強した。
圭汰とは付き合ってからも色んな約束をしたけれど、この、“首席入学”が一番最初の約束だった。
そして、その約束はきちんと果たされる。
見事、私は高校に首席で入学することが出来たのだ。