少し離れた所で、圭汰が怒りを露わにしながら、仁王立ちしている姿があった。

圭汰は私達の目の前までやって来ると、灯を睨みつける。

「ちょっ・・・・」

私は慌てて圭汰を止めようとする。


だって、こんな怒った顔をして睨んだら、灯に私達の関係がバレてしまう。
圭汰が怒る理由は分かるが、灯に非はない。


それに、灯は圭汰のことが嫌いだ。

もしも喧嘩なんてことになってしまったら・・・。
そう考えると、やはり、自分の意気地なしさに苛立った。

そっと灯の顔を見ると、灯も圭汰を睨んでいて、既に冷戦状態だ。